プロジェクト発足の背景
もっと関わりたい人の、受け皿がなかった。
イベントで海士町を知ってくれた人。ふるさと納税で応援してくれている人。そうした関わりに、島は何度も支えられてきた。だからこそ、「もっと関わりたい」という声に応える次の一歩を用意したい。海士町オフィシャルアンバサダーは、そのためにつくった制度だ。役割は宣伝ではなく、「地域経営の担い手のひとり」。島の未来を、ともに考えていく存在だ。
島の外にいるからこそ、できることがある。
島外で築いたネットワーク、本業で培ったスキル。それらがあるからこそ、島の中のルールにとらわれない自由な発想が生まれる。外にいる人の発想とスキルは、島にとって貴重な資源だ。海士町のアンバサダーは、住民でも観光客でもない「第3の主体」。外にいることを活かして関わる人のための制度だ。
海士町での実践と共創
名刺一枚から、関係は始まる。
アンバサダーには、デジタル名刺が渡される。飲み会で海士町の話をする。同僚に島のイベントを紹介する。名刺が開かれるたび、あなたが広げた輪は記録され、マイページで自分の目に見える形になる。「紹介した人がイベントに参加した」「説明会に申し込んだ」――そんな静かな広がりが、ちゃんと貢献として残る。大げさなことをしなくていい。日常の会話が、島との接点になる。
貢献は記録され、やがて役割になる。
都市部でのイベント企画、島留学生の相談相手、地域事業者との共創プロジェクト。アンバサダーの活動は多様で、どれも貢献として可視化される。そして貢献の積み重ねは、島の意思決定に参加する資格へとつながっていく。テーマへの投票、新しい企画の起案。「関わっている実感」を、仕組みとして保証する。
生まれた変化と今後の展望
「関わる人」から「決める人」へ。
アンバサダーの声が島の施策に反映される回路づくりが、いま実践段階に入っている。投票や提案を通じて、島の外の視点が島の意思決定に混ざりはじめた。「島にいない自分でも、まちづくりに関わることができる」――その実感こそが、この制度が届けたいものだ。関係人口を数ではなく、当事者の厚みで捉える。海士町は、その取組を本気で進めている。
個人から法人へ、島から全国へ。
この輪は、個人にとどまらない。企業がアンバサダーとして地域経営に参画する法人アンバサダー、他地域のアンバサダー制度との連携。海士町で磨かれたこのモデルを、全国の地域が使える形に育てていく構想が動いている。あなたが今日入れるスイッチは、海士町だけでなく、日本の地域と人の関わり方そのものを変えるかもしれない。
